おはようございます、ころすけ(@wg_koro)です。
先の火曜日、TECHCRUNCH TOKYO 2013へ参加してまいりました。と言っても、仕事の関係で2日目のオヤツ時からの参加でした。
聞けたのは「スタートアップバトル決勝大会」からだったのですが、これが非常に面白かったlちょっと時間が経ってしまいましたが、せっかくなのでまとめてみます。
概要 | TechCrunch Tokyo 2013 | TechCrunch Japan |
今年もTechCrunch Tokyo 2013を開催します。国内外のキーパーソンや、海外からTechCrunchスタッフが今年もやってきて、これからのテクノロジービジネスの話題やスタートアップの現在について、講演やパネルディスカッションが繰り広げられる予定です。
もちろんスタートアップバトルをやります! スタートアップ企業による未来のプロダクトをオーディエンスの方々の前で披露してもらいます。
スタートアップバトル決勝大会 概要
スタートアップ企業が5分間プレゼンを行い、その後審査員から5分間、質問を受ける形のセッション。
まず全体の印象
印象的だったのは、ほぼ全てのプレゼンターが共通の概念、キーワードでプロダクトを発表していたことです。
共通のキーワードは「簡単に」
「手間を減らす」「難しくしない」「目指すは全自動で」… といった内容が非常に多く、時代はそういうポイントに来ているんだなぁと考えた次第です。
以下、各社のプロダクト概要です。
Virtual Cycling
世界中を走れる自転車デバイス「Virtual Cycling」を発表 – 株式会社キーバリュー |
エアロバイク + AR。
フィットネスクラブに通う人は多いけど、71%の人が短期間で退会してしまう。モチベーションを維持させる仕組みを作りたかった。
- 目の前のスクリーンに人間視点のマップを展開。
- エアロバイクを漕ぐと、それに合わせてマップが移動する。
- 漕ぐ人はゴーグルを装着しており、頭を傾けるとマップ移動で左右のターンができる。
- 漕ぐ速度をアップさせると空を飛べたりする隠しギミックも。
- マップは日本だけでなく、海外のマップも用意している。
各種デバイスと連動することも想定しており、例えばバイクを漕ぐと、前方の扇風機が回って「移動している感」を演出できたりする。
- 山手線一周など、ゲーム感覚で目標をセットできる。
- 漕げば景色が変わるので、単調にはならない(ハズ)
一度実際にやってみたいですね。すごく楽しそうでしたし。プレゼンの後の質問タイムでも聞かれていましたが、大手ゲームメーカーが真似したらツラそう。「マップデータを相当作り込んでいて、そう簡単には真似できないと思います」とのことでしたが、資金にもの言わせて真似されたらちょっとツラいんじゃないかなー。
planBCD
UI改善プラットフォーム「planBCD」、売上は月次2.5倍に–新プランなどを展開 – CNET Japan |
planBCDが「グロースハックツール+クラウドソーシング」という新潮流生むーーKAIZEN platform Inc.がVC三社から80万米ドルを調達 – THE BRIDGE |
Jsタグを貼ると、ものすごく簡単にABテストができる。
クラウドソーシングをうまく利用したASPサービス。
- UIによるABテスト。1パーツから容易に設定可能。
- スマートフォンサイトでもABテストが可能 (将来はネイティブでも行う予定)
- ひたすらシンプル。変えたい箇所をクリックして色、文字、形…などを入力するだけ。
- 専門のUIデザインは、世界中の「Growth Hacker」と呼ばれるスタッフが作る。
- それぞれのスタッフが作ったUIをABテストとして適用し、一番CVRが高かったUIの作者に報酬が支払われる。
- クライアントは、送られてきた複数のUI候補を管理画面でボタンを押して適用させるだけ。
- CVRがオリジナルデザインから上がらなければ、費用はもらわない。
成長率
- 8月にリリース、これまでの累積受注金額は2億(!)
- オンライン版をリリース。リリース後、1日で100社(!!)がオンラインから申し込み。
ものすごく伸びているサービスのようです。クラウドソーシングとの組み合わせはいいですね。一番プレゼン(というより宣伝かw)がスマートだった気がします。
マネーフォワード
無料家計簿 – 家計簿アプリ・資産管理も充実|マネーフォワード https://moneyforward.com/
iPhone、Androidアプリでも有名ですね。・・・と言っても自分はまだ使ったことがないのですが。今度使ってみようかなぁ。
- これまで個人向けのサービス(Web, アプリ)で好評だったが、企業向けのサービスを展開する。
- 企業の収支会計をなるべく易しく、容易に、自動で。
- 銀行データと自動連携
- マルチデバイス対応
- 領収書OCRにも対応
ログバー
Logbar (ログバー) |
指輪型のウェアラブルデバイス「Ring(リング)」を発表、ログバー 指一本のジェスチャーで操作|ビジネス+IT |
- 指輪型ウェアラブルデバイス。
- 将来の目標は、下記プロモーションビデオのようにすること。
- デモがあり、指の動きで電球をONにしたり、文字(記号)を入力したりしていました。
- バッテリー駆動は一週間もつようにする、とのこと。
- 開発者向けにAPIを公開し、Ring Storeというものを開設したい。
Ring -Shorcut Everything- from Logbar on Vimeo.
ガジェット好きにはたまらないデバイスじゃないでしょうか。価格は1〜2万円くらいになるようですよ。APIを使って色々いじり倒してみたいガジェットですねぇ。
Rinkak
rinkak | 3Dプリンター&3Dプリントサービス https://www.rinkak.com/
【インタビュー】日本初3Dプリンターものづくりマーケット「rinkak」代表にもろもろ解説してもらった : ギズモード・ジャパン |
個人的に一番面白いな、と思ったサービス。
- 3Dプリンターを使ったものづくりマーケット。※既に稼働済み
- ユーザーは3DのCADデータをアップロードするだけ。
- 簡単に、自分の作りたいプロダクトを3Dプリンターで世の中に。
- システムはアップロードされたCADデータを解析する。
- 数秒後、原価が画面に表示され、ユーザーが売りたい値段を入力する。そうすると、ECサイトで販売が開始される。
- Rinkakは、3Dプリンターでの制作+決済システム+発送作業を担当。
現在は「パーツの組み立て」を行っていない。将来は組み立ても行えるようにする。
(今はパーツを発送し、ユーザーに組み立ててもらう形)
「世の中はここまで来ちゃったかー」と考えちゃったサービス。CADをアップしたら即ECで販売開始とか、作りたいものがある人にとって、嬉しい世界になってきましたね。
Plug Air
Beatroboが「PlugAir」を発表–デバイスをスマホに差し込めば動画や音楽を共有 – CNET Japan |
スマホ時代の「CD」のような位置づけのデバイス(…という理解でいいのかな?)
- イヤホンプラグ型の、ストレージ(?)のようなデバイス。
- 最初から音楽が入っており、これをスマホに差し込むことで音楽を聴くことができる。
- 友人のスマホに挿すと、友人の端末で視聴ができる。(CDの貸し借りのイメージ)
- 将来は映画も扱えるようにしたい
- ユニバーサル・ミュージック合同会社と提携。
USBでいいんじゃない?Dropboxは?という質問がグサグサと刺さっていたようです。確かに、差別化などが難しいよなぁ。
Locarise
Locarise Analytics |
実店舗のAnalytics。再来店数はどれくらい、とか、リアルCV率はどれくらい、ウィンドウCV率は…などの計測サービス。どうやって個人と補足、計測しているのかというと・・・
- 来店者の65%はWiFiを切っていない。WiFiのサーチシグナルを捕捉して個人を特定している。
- 今は考えていないが、将来はBluetoothなど様々な方法で個人を特定できるようにしたい
実店舗のリアル解析は面白いなー。でも個人の特定がやっぱりネックですね。WiFi使っても65%程度だし。これが80, 90%くらいの精度で個人を計測できるとぐっと面白くなりそう。
フライヤー
本の要約サイト| flier(フライヤー) |
本を要約し、雑誌風にしてユーザーにお届け・配信するサービス。
- 大手17社と契約済み
- 著作権問題はクリア済み
- 要約した内容は、出版社の編集者に確認をとってからリリース。
- 将来は、全世界の良書をそれぞれの言語でリリースしたい。
- 要約ペースは、100冊/月が目標。(現在は50/月)
- 競合のgetAbstractは要約書籍数が少ないのと、レポート形式の要約。書籍数と、読みやすいデザインで差別化を行う。
- 配信はPDFベース。将来はコピーガードを設定しなければならない。ただ、要約を読んで本自体を買ってくれなくなる、という心配はあまりしていない。(実例:「統計学は最強の学問である」は事前に公開されていたのにもかかわらず大ヒットになった)
要約サービスはいいですね。色々とやりたいこと・やらなければいけないことが氾濫している現代ではニーズのあるサービスだと思います。
XICA(サイカ)
xica 誰でも使える 統計分析ウェブアプリケーション。 … |
誰でも使える、統計分析ウェブアプリケーション。
CSVを食べさせて、ボタンを押せば重回帰分析による結果を表示する。
「この結果に対する施策は、どれが一番有効であったか?」などといったデータも、ボタン数クリックで可視化。
- クラスター分析を行う予定はなし。視覚的に分かりやすい重回帰分析一本でいく予定。
- あくまでシンプルに、簡単に。専門ではない人向けに。
- 海外の類似サービスとの差別化が非常に難しくて頭をかかえている…。
統計の深い知識が無くても使える、というモットーはいいかも。こういったツールはとにかく難しいので、優しいツールであれば使う人は結構いるんじゃないかなぁ。
Ietty
ietty | イエッティ[お部屋探されサイト] https://ietty.me/
- Facebook連動お部屋探しサービス。
- Facebookのプロフィールを分析、オススメの物件を提案する(レコメンド機能)。
- また、スカウトマンが1 vs 1でチャットなどを使いつつ部屋探しを行ってくれる。
- 最終的には来店してもらうことになるが、来店前に色々と情報交換を行っているため成約率が非常に高い(営業成約率100%だとか)。
- Webで探しても「釣り物件」なことが多くて正直ダルイ。これを解消したくて立ち上げた。
今後、知名度をどうやって上げていくかが課題。
来店率を上げるために、iPhone, Androidアプリ展開も考えている。
お店に行く前に色々観て相談できるのは非常にいいかも。今度引っ越しするときは使ってみようかな・・・。
以上が各社のプレゼンでした。
どの発表も力が入っていて非常に面白かったです。あと、プロモーションビデオを(部分的に)使うのはインパクトあるなぁと感心しました。綺麗なPVだとつい魅入ってしまいますしね。
優勝は
ログバーのRingでした。「ウェアラブル」「ガジェット」「目標として目指している斬新な内容」の3つがバランスよく表されていたように思います。
デモはまだまだプロトタイプという感じでしたが、将来が非常に楽しみなプロダクトです。
その他、個人的には3Dプリンターを使ったものづくりプラットフォームのRinkakも好きです。CADを勉強したくなりましたw CADはやったことがないんですよねー。
新しいサービスの発表を聞くと非常にワクワクするなぁ。これだからイベント参加はたまらない。参加できたのは短時間でしたが、非常に楽しい、有意義な時間でありました。